でかい蓮根を掘り当てるという
  ことは、金山を掘り当てるのと
  同じくらいワクワクするものだ。
  それは言い過ぎにしても、少な
  くとも、潮干狩りで大きなアサリ
  が次から次ぎへと出てくるような、
  時間がたつのも忘れて、夢中に
  なれるものが蓮根掘りにはある
  ような気がした。
  ほんとうに美味しい蓮根をつくる
  ということは、大変な時間と手間
  がかかる。収穫時期が、他の作
  物のように短期間でない分、毎日
  のこまめな農作業が、作物にスト
  レートに影響する。
  ほんとうに美味しい蓮根はシャキ
  ッとした歯ごたえとやわらかさ、
  このちょっと矛盾するような食感

が蓮根のうまみである。そして、糸を引く。糸の引き方は、土質によってかな
り違う。糸をたくさん引く蓮根を作るには土壌づくりから手間ひまかけなけれ
ばならないのだ。


Profile
             おばちゃん 斉藤倫子 67歳
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             女性では数少ない農業士の資格を有する
             みんなを明るくひきいるおふくろさん

             かっちゃん 阿部克幸 48歳
             ────────────────────
             農業大学校で土壌肥料学を学ぶ
             2児のとうちゃん

             にいちゃん 斉藤繁明 38歳
             ────────────────────
             趣味はパソコン デジカメでれんこんを撮影し
             オリジナルTシャツをつくったりもする

       3月頃になると植え付けの準備が始まる。種にする蓮根を、出荷する
       蓮根とは別の畑から収穫してきて、土づくりの完了した新しい畑に植
       え付けていく。
       4月・5月頃、3月に植え付けした畑や種になる蓮根を残して掘り終わっ
       た(すじ堀した)畑からも、新芽が出始める。葉が成長する時期に、アブ
       ラ虫がつくので、この時期1回だけ通常農家が散布する農薬の6分の1の
       量をやる。
         ポイント なぜ農薬が通常の6分の1の量ですむのか
         日頃の栽培管理に力をいれているからだ。有機肥料で土づくりを
         し、アブラ虫の発生源であるあぜ草を、こまめに刈りとる。土中の
         有料微生物をできるだけ残してへ、害になるものだけを除去する。
       芽や葉に栄養を摂られ始めているこの頃の蓮根は、食してもあまり美味
       しくないので、べぇ−やん蓮根では販売をひかえさせて頂きます。

       新蓮根は7月下旬から収穫します。これは3月上旬に種として植えた
       蓮根からのびた根茎が成長したものです。完全に実がはいって本当
       に見事な蓮根になるのは8月下旬頃になります。この間、水の管理と
       害虫の除去、蓮根の成育にあわせて肥料を与えていきます。肥料を
       与えすぎたり、時期がズレたりすると、土中の蓮根に影響がでます。

       蓮根の出荷の最盛期は12月頃だ。やはり正月前になると、需要が増
       え市場での値も上がる。
       畑や土質、生産者によって、蓮根の美味しさに大きな違いがでるのは
       土の中の蓮根が、微妙な環境の変化に影響をうけやすいからだ。だか
       ら蓮根を掘ってしまった後の畑に、肥料をやったり、手間暇をかけて土
       壌のコンディションを整えていくのである。
       ほんとうにおいしい蓮根をつくるということは、土への愛情なしには、でき
       ないことなのである。